専門看護師(CNS)
Certified Nurse Spesialist
Nursing Specialist
スペシャリストとは、一般的にある学問分野や知識体系に精通している看護職のことです。看護部では、特定の看護分野における高い水準の看護を実践できる看護師をスペシャリストとして、特定行為研修修了者、専門看護師、認定看護師などが活躍しています。
また、以下のような資格を取得した看護師が外来や病棟で専門性を活かして、患者さんの治療や療養を支援しています。
専門看護師(CNS)
Certified Nurse Spesialist
専門看護師とは日本看護協会が認定する資格で、複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供する看護師のことです。
実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つの役割があります。
認定看護師(CN)
Certified Nurse
認定看護師とは、日本看護協会が認定する資格で、特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて、水準の高い看護実践のできる看護師のことです。
実践・指導・相談の3つの役割があります。
スペシャリストからのメッセージ
Message from specialist
皮膚・排泄ケア認定看護師:
藤原 昌子
岡山済生会総合病院の褥瘡管理者として、主に褥瘡予防、褥瘡治療など褥瘡ケアに携わり、医師、薬剤師、管理栄養士、リハビリ(理学療法士、作業療法士)など多職種で連携して、院内褥瘡発生数の減少、褥瘡早期改善を目標にチーム医療を行っています。褥瘡以外の皮膚損傷やIAD(失禁関連皮膚障害)などの皮膚トラブルに対しても依頼を受けて介入し、スキンケアを通して、皮膚の健康回復、維持、促進を目指して活動しています。ストーマケアでは、がん化学療法外来に通院するストーマ保有者を対象としたストーマ外来を担当しています。薬物療法では消化器症状、皮膚症状、神経症状など様々な症状が出現して、ストーマケアだけでなく、生活全般に影響することがあります。がん化学療法センターと連携し、できる限り予測される症状への予防的介入を行って、患者さんが安心して治療が受けられるよう支援を行っています。
皮膚・排泄ケア認定看護師:
上田 麻由香
皮膚・排泄ケア認定看護師は、スキンケアと排泄ケアを専門とする看護師です。
スキンケアは、主に褥瘡(床ずれ)や高齢者によく見られるスキンテア(皮膚裂傷)、失禁による皮膚障害などの治療ケア・予防ケアを実践・指導しています。週に1回、皮膚科医・理学療法士とともに褥瘡回診を行い、多角的なケアを提供しています。
排泄ケアは、ストーマ(人工肛門・人工膀胱)を造設する患者さんに手術前から手術やストーマに対する不安が軽減できるように関わったり、手術後の装具選択やケア方法・日常生活指導などを行ったりします。退院後はストーマケア外来を受診してもらい継続看護を行っています。
失禁ケアは、失禁による皮膚トラブルケア・予防の他に失禁改善の指導やおむつ選択、排泄管理の選択など排尿自立支援を行っています。週に1回、泌尿器科医・脳卒中リハビリテーション看護認定看護師・作業療法士とともに排尿ケアチームとして病棟をラウンドし排尿自立支援や在宅に向けての包括ケアを病棟スタッフと一緒に考え患者さんに提供しています。
病棟・外来・多職種と連携して、患者さんとご家族に寄り添いながら入院中から退院後も継続して専門的なケアを提供できるように努めています。
皮膚・排泄ケア特定認定看護師:
前田 あけみ
2007年に皮膚・排泄ケア認定看護師の資格を取得、2017年に創傷管理関連特定行為研修(3区分5行為)を修了し、現在は創傷管理者として院内外で横断的な活動をしています。ストーマ保有者やご家族に対し、手術前から退院後も継続的なストーマケア支援を行っています。
特定看護師としては医師と連携し、創傷や褥瘡の壊死組織の除去を行っています。壊死組織の除去をタイムリーにこまめに行うことで創傷の重症化を予防し、創傷治癒促進につながってきます。看護師としての視点を忘れないよう、患者さんの状況に応じて安全に実施することを心掛けています。また、当院関連の高齢者福祉施設、訪問看護ステーションから創傷やストーマケアの相談を受けることも多くなりました。必要時には施設や在宅へも訪問し、生活の場で行える処置やケアを訪問看護師や施設看護師と共に考え支援をしています。
皮膚・排泄ケア認定看護師は、褥瘡などの創傷管理、ストーマ(人工肛門・人工膀胱)失禁などの排泄の問題に対し、スキンケアなどの専門的なケアを提供する看護師です。
当院には、4人(総合病院3人、外来センター病院1人)の皮膚・排泄ケア認定看護師が所属し、うち2人は特定行為研修を修了した特定認定看護師になります。4人が連携し、皮膚・排泄に関する専門的なケアを支援しています。
皮膚・排泄ケア特定認定看護師:
八幡 果歩
主な活動内容としては、病棟でのストーマ(人工肛門・人工膀胱)ケア、褥瘡や手術後の創、スキンテア(皮膚裂傷)などの創傷処置、失禁に対するスキンケアなどを行っています。ストーマケアでは、患者さんの身体的・精神的・社会的状況に合わせたケアの指導や装具の選択を行い、安心して早期に社会復帰できるよう関わっています。創傷処置では、重症化を予防し、治癒促進に向けた管理を行っています。失禁に対するスキンケアでは、発生要因を考え、状態に応じたケアを行っています。患者さんが、退院後も安心して療養できることを目指し、患者さんに満足してもらえるような質の高い医療・看護が提供できるよう心がけています。
がん化学療法看護認定看護師:
竹井 淳子
がん化学療法看護は抗がん剤治療が治療の選択肢となる患者・家族の決定過程から、抗がん剤治療の実施、治療中、その後の長期的なフォローアップという一連の経過の中で行われる看護の役割を担っています。がん化学療法が治療選択となるインフォームド・コンセントにおける患者・家族への援助、患者・家族への抗がん剤治療のオリエンテーションや説明、抗がん剤投与中の副作用のモニタリング、副作用の症状マネージメント、看護スタッフに対して抗がん剤とそのケアに関する情報提供を行っています。
がん化学療法看護認定看護師:
稲葉 温子
がん化学療法は、治療薬や治療法の開発、発展に伴い多くが外来通院可能となりました。一方で分子標的薬の登場などにより、その効果が期待される半面、それぞれの薬特有の多様な副作用症状が出現することが考えられています。化学療法を受ける患者さんやご家族が、日常生活を送りながら治療を安全・安楽に継続していけるよう、副作用などの症状緩和・コントロールの支援、治療の意思決定や悩みの相談・支援を行います。また、抗がん薬の安全・確実な投与管理を実践し、スタッフへの指導も行っています。
がん薬物療法看護認定看護師:
加藤 望
がん薬物療法看護は、安全・確実な投与管理を行うとともに、患者さんの苦痛を最小限にしながら治療が行えるような支援が必要と考えています。がん薬物療法では殺細胞性抗がん薬、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬など薬の種類が増えており、多様な副作用症状が出現する可能性があります。それに対して患者さんが抗がん薬の治療によって生じる副作用対策について知り、日々の生活の中でセルフケアを実践できるように支援を行っています。また、抗がん薬の安全な取り扱い、確実な投与を実践し、がん薬物療法看護に携わるスタッフへの指導、勉強会を行うことで、がん薬物療法看護の質の向上に努めています。
救急看護認定看護師:
戸川 祥子
救急搬送や救急受診される患者さんには、突然の生命の危機や身体的苦痛があり、重症度・緊急度が高い状態にあります。患者さんのご家族も大きな不安を持っています。そのような状況の中で、安全かつ的確な患者さんへの看護とご家族の気持ちを汲んだ看護ケアを行っています。
また、一時救命処置や急変時の対応など、院内外の方々に対する指導・相談も行っています。さらに災害時における看護実践の役割もあります。災害医療現場において、医療ニーズを迅速に判断し、他職種と連携し看護を実践できるよう備えています。
感染管理認定看護師:
五藤 輝之
感染管理認定看護師は、病院を利用する患者・家族・訪問者、そして働いている職員を感染から守るという役割があります。そのために、感染制御チーム(ICT)の多職種のメンバーとともに、院内の感染対策の状況を確認して回ったり、ミーティングを開いて感染症の発生状況等を確認したりしています。
また、職員の教育として全職員対象の臨床セミナーを開催するとともに、各部署の特徴や経験年数に合わせた勉強会もおこなっています。特に、感染対策の基本である手指衛生について、実施率が上昇するように努めたいと思っております。
感染管理認定看護師:
友野 良美
感染管理認定看護師の役割は、患者さん、ご家族および医療従事者などすべての人たちを感染から守ることです。お薬一つひとつに対する耐性菌が問題となり、当院では2018年より抗菌薬適正使用支援チームを立ち上げ、活動を開始しています。このチームは不要または不適切な抗菌薬投与がされている時に担当医と相談し、適切な使用ができるように支援をします。チームとしての活動は始まったばかりですが、医師・薬剤師・臨床検査技師と一丸となって感染対策に取り組みたいと考えています。同時に、院内のさまざまな感染に関する相談を受け、スタッフへの感染対策教育を行い、病院全体として統一した感染対策への活動をしていきたいと思います。
感染管理認定看護師:
立道 優太
患者さんそして医療従事者を感染から守るためには、平時からの感染対策強化が重要です。強化といっても特別なことではありません。手指衛生の実施、衣服の汚染防止、咳の症状があればマスクの装着など日常の生活においても実施することで、これらの感染対策を「標準予防策」といいます。
標準予防策を徹底するために、感染対策の啓発活動をすることが、感染管理認定看護師にとって重要な役割の一つです。手指衛生をすることが当たり前になるよう手指衛生キャンペーンの実施や個人防護具の設置など現場スタッフが感染対策に取り組める環境を整え、現場へのラウンドを実施し日々活動を行っています。
乳がん看護認定看護師:
岡本 直美
乳がん看護認定看護師は、乳がんと診断されたときから患者さんとそのご家族に対して、乳がん患者のさまざまな治療に伴うケアを通じて患者の疑問の軽減を図り心理的サポートを行うとともに、よりよい療養生活のために情報を提供することによって、患者・家族が乳がんとともに生きていくのを支えることを目的とする看護ケアの役割を担っています。入院中だけでなく、外来通院中も継続した看護が提供できるよう他職種と協力して患者さんとそのご家族の支えとなれるよう努めています。また、看護スタッフへ乳がん看護の質の向上が図れるよう治療とそれに伴う副作用や看護技術の情報提供を行っています。そして、自施設内にとどまらず、地域における乳がん診療の向上に貢献するために、地域に向けて乳がんの知識と乳房自己検診法の指導なども行っています。 また、当院では乳がん患者会「りんごの会」を設立しており、当院で乳房の手術をされた方を対象に年に2回(春・秋)ご案内しています。
透析看護認定看護師:
大脇 浩香
主に腎臓病センターに所属し、「透析」を受けている患者さんに対して支援をさせていただいています。透析療法は完璧ではありませんが、腎臓の機能を補う治療として現在の日本で一般的に行われています。透析を受けることは身体や生活に大きく影響します。透析療法の方法も一生にわたって考えていく必要があり、また治療法も「血液透析」「腹膜透析」「腎移植」「あえて治療はせず、自然のままの経過で人生を全うする」とさまざまな方法があります。「腎臓の機能が低下しているので将来的に透析が必要」という患者さんお一人おひとりの「生き方」として適切な方法を選べるようにお手伝いもさせていただいています。また、腎臓の機能を保護するための療養生活も一緒に考えています。
糖尿病看護認定看護師:
小坂 ひとみ
生活習慣病の一つである糖尿病は、食の欧米化、日常的な運動不足、高齢者の増加など様々な要素が絡み合って、糖尿病患者・糖尿病予備軍が増加しています。放っておくと神経障害・腎症・網膜症といった合併症を引き起こすことがよく知られています。そして、病態や合併症の進行により治療や生活習慣の変更を余儀なくされることもたびたびあります。糖尿病看護認定看護師として、患者さんやご家族に対し糖尿病教室で正しい知識の提供を行っています。また、フットケア外来では、糖尿病を持ち生活する人に寄り添い、その人の可能な範囲でケアの方法を一緒に考えるなど療養支援を行っています。
糖尿病看護認定看護師:
脇本 美香
糖尿病は慢性疾患であり、生涯付き合っていかなければなりません。糖尿病をもちながら生活することは容易ではなく、患者さんは不安や悩み、困難などに直面することがあると思います。糖尿病看護認定看護師として、自己注射や血糖測定の手技習得支援を行ったり、患者さんと一緒に生活の工夫を見つけたりしながら、少しでも安心して糖尿病と付き合っていけるようにお手伝いさせていただいています。
また、院内の糖尿病看護の底上げのためにスタッフへの指導や相談の役割も担っています。
緩和ケア認定看護師:
前川 礼子
緩和ケア認定看護師は、患者さんとそのご家族のQOL(生活の質)の維持・向上のため、がんと診断されたときより様々な苦しみを和らげることができるように多職種と協働して支えます。がん治療や病気を抱えて療養する場面において、患者さんの思いが医療者に伝えられように、患者さんの価値観を理解し、その人らしさを尊重した看護ケアを大切にします。
緩和ケア認定看護師:
長尾 知春
緩和ケアは、患者さんとそのご家族が、病と向き合いながらも、その人らしく「生きること」を援助します。苦痛は身体だけに生じるものではなく、精神、社会、スピリチュアルな側面にまで及ぶものであり、気持ちのつらさとなって現れます。そのような患者さんとご家族と対話し、思いを尊重しながら関わらせていただきます。多職種の医療スタッフと協働して、細やかにその人全体を見る視点からケアを計画していきます。また、緩和ケアをより身近なものとして提供できるよう看護職員への知識と技術の指導を行います。
緩和ケア認定看護師:
竹森 陽子
緩和ケアは、主にがんによる身体とこころのつらさを和らげ、生活の質を向上させるアプローチです。がんと診断された時からがん治療と並行して行われます。痛みなどの身体のつらさやこころのつらさを和らげることは、がん治療に取り組む力につながります。
がんなどの病気に苦しむ患者さん、ご家族に寄り添い、さまざまなつらさを和らげ、最期まで希望を持ちながら生きていけるように多職種と協働し、支えます。また、将来の治療や療養について、患者さんが最も大切にしていることに基づいて意思決定できるように支援します。
脳卒中リハビリテーション看護
認定看護師:田代 紗往里
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師に期待される役割としては、脳卒中患者の発症直後から、その人らしい生活の再構築に向けて質の高い看護実践を行うことが求められています。脳卒中発症直後からリハビリテーションを開始することは、さまざまな合併症を予防するだけでなく、ADLの向上やより良いQOLの獲得に繋がります。患者さんの病態や家族背景などを把握し、患者さん一人ひとりにあった質の高い看護ケアを提供したいと思います。また、排尿自立支援チーム、摂食嚥下チームの一員となりました。患者さんがトイレで排泄できる、口から食事を食べることができるを支援し、患者さんのQOLの向上にも関わりたいと思っています。
脳卒中リハビリテーション看護
認定看護師:坂本 翔平
脳卒中の「再発予防」を目標に掲げ、実践・指導・相談を行っていきたいです。脳卒中は再発を繰り返しやすく、再発の度に重篤になることが多いため、高齢社会に向けて健康寿命をのばせるような支援をしていきたいと思います。
手術看護認定看護師:
小泉 匡司
近年、手術支援ロボットなど低侵襲手術の普及と麻酔技術の進歩により、高齢患者さんへの手術適応が広がりました。それに伴い、多くの併存疾患を持つ患者さんの手術が増加しています。また、術式の進歩に伴う手術体位の多様・複雑化や医療機器の高度化など、手術室看護師には、より高い知識と技術が求められています。「手術の成功」とは何でしょうか?例えば、癌の手術を行い病巣を取りきることができたけど手術体位により四肢に麻痺が起こったら・・・。手術室看護師の役割は、患者さんにとって最善の手術を2次的合併症を起こすことなく受けていただくことです。手術看護認定看護師の役割は、そのために必要な知識と技術を持ち、看護実践を通してスタッフへの相談対応・支援を行うことで、より質の高い手術看護提供へ貢献することです。また、術中麻酔管理領域特定行為研修を修了し、麻酔科医師と協働し安全で円滑な全身麻酔の維持・管理にも貢献しています。
摂食・嚥下障害看護認定看護師:
木村 貴子
摂食・嚥下障害看護認定看護師は、加齢や発達上の問題、疾病・治療による摂食嚥下機能に障害をもつ人に対して、医療機関や介護施設、在宅などさまざまな場所でより専門的で高度なケアが提供できる看護師として活動しています。人間にとって“食べること”は単なる栄養補給のためだけでなく、生きていることを実感し、家族や身近な人とともに過ごす場としても喜びと幸せを与えてくれます。摂食嚥下障害のある人に対して“口から食べ、暮らしを守る”ことを考え、「食べる」権利を擁護し、患者・家族の思いに沿えるような関わりをしていきたいと思っています。
呼吸器疾患看護特定認定看護師:
光畑 良美
慢性呼吸器疾患には、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、喘息などがあります。これらの疾患では、息苦しさが出現する不安を抱えながら日常生活を送らなくてはなりません。そのため、症状の増悪を予防し、呼吸機能を維持することが大切です。これまでの生活環境や患者さんの希望を考慮しながら、セルフマネジメント力の向上を目指すことが必要になります。息苦しくなった時の呼吸法や薬剤の使用方法、有効な酸素療法、呼吸に必要な栄養管理、呼吸が楽になる姿勢などを指導していくことが役割となります。様々な職種と連携しながら、安定期、増悪期、終末期と各段階に応じた支援を行っていきたいと思います。
慢性心不全看護認定看護師:
岡田 千明
心不全は増悪と寛解を繰り返す病気です。そんな病気と上手に付き合っていくためには生活調整が必要ですが、誰しもその制限と「このように過ごしたい」という思いとの狭間で葛藤することと思います。その価値観と病気との折り合い点を一緒に考え、患者さん自身が意思決定できるような看護を提供していきたいと思います。
認知症看護認定看護師:
楠戸 裕子
高齢者の方や認知症の方は、身体の不調に加えて環境の変化により、行動・心理症状やせん妄を生じやすくなります。認知症看護認定看護師は、行動・心理症状やせん妄の発症を予防し、発症した場合は症状が緩和できるよう関わり、安全で安心できる療養環境が提供できるように支援をする役割があります。
認知症の方の持つ能力(できること)が発揮できるよう関わらせていただくこと、思いを尊重しその人の視点に立って関わらせていただくことを大切にしています。そのうえで多職種の医療スタッフと協働して多角的な視点から検討し、認知症の方が安心を感じて日々を過ごせるような療養環境づくりを提供したいと思います。
認知症看護特定認定看護師:
藤本 捷博
認知症を患っている方々は、何らかの不安を持って生活しています。その方々が入院すると、不慣れな場所や人と接するという不安から混乱を生じてしまいます。そのため、認知症の方々の不安を一つでも多く取り除き、安心した生活を過ごすことができるよう支援する必要があります。
“認知症の人”ではなく、人生の先輩として尊重し、その方々が歩まれてきた生活を伺うとともに、もてる力を発揮することができるよう院内スタッフとともに日々の看護について考え、関わらせていただきたいと思います。
腎不全看護特定認定看護師:
原田 有利子
腎不全看護の対象は透析療法を受けている方だけではありません。慢性腎臓病(CKD)を抱えている患者さんは成人人口の8人に1人と言われており、身近な疾患になっています。私は慢性腎臓病(CKD)の予防の段階の方から、CKD保存期、透析療法が必要になった方まで幅広く関わっています。腎臓内科病棟に所属しているため、入院してから腎代替療法(血液透析や腹膜透析)が必要になる患者さんやご家族に対して、納得して治療が受けられるように多職種と連携して支援しています。腎臓のこと、透析のことで悩んでいる患者さんの身近な存在としてサポートしています。
クリティカルケア特定認定看護師:
橘髙 明日香
クリティカルケアとは聞きなれない言葉だと思いますが、生命の危機状態にある患者さんに対して治療や看護を行うことです。主に集中治療室(ICU・HCU)に入られるような患者さんが対象になります。集中治療室に入られる患者さんは、生命の危機に加えさまざまな身体的苦痛があり、重症な状態です。支えるご家族も急激に病状が変化することで、大きな不安を抱えています。専門的な知識・技術を用いた看護を提供することで、患者さんの危機的状況の回避や早期回復を支援していきます。また、多職種と連携しチーム医療を行う中で、院内職員教育も行っています。
がん看護専門看護師:
中島 幸恵
近年、がん医療の進歩に伴い「生存率・生存期間の延長」「治療の複雑化」の傾向があります。
それに伴い、がん医療の現場では、告知・治療とその副作用・症状の緩和・療養場所の選択など様々な
課題が生じています。
がん看護専門看護師は、患者さん・ご家族が直面する様々な疑問・不安・問題などが解決・軽減できる方法を一緒に考えます。そして、患者さんが自分らしく生活できるようにQOL(生活の質)の維持・向上を手助けをしています。