呼吸器病センター

呼吸器病センター

呼吸器病センターの特色

病気の治療は個々の職種が縦割りの治療で行うものでなく、各職種の横繋がりの治療が望ましいと考えます。以前は各職種が話し合いをせずに縦割り業務で患者さんを個々に療していました。現在は、多職種(医師 薬剤師 看護師 理学療法士 ソーシャルワーカー)によるチーム医療で、個々の患者さんがどうしたら入院から退院後も安心して過ごせるかを多職種で話し合って横繋がりの関係を大切にして密に個々の職種が連絡をとりながら治療を行います。 呼吸器病センターでは個々の患者さんがどうしたら入院中から退院後も快適に過ごせるか、家族の援助ができるかを考えています。

入院すると高齢者は体力が衰え入院前と同じ生活ができなることが多く、そのためには理学療法での体力の維持・回復、ソーシャルワーカーによる社会生活を送るための支援の侍従が増えます。退院したら患者さん個人にお任せするのではなく、退院後も関わり支援もをしています。病棟のみでの関係で終わることはありません。

肺癌治療では多数の薬剤が選択できるようになり、副作用で患者さんが知らぬうちに体調を損ねることもあるため、入院中のみならず退院後も気軽に相談をいただけるように薬剤師は説明しています。

癌に限らず、高齢化にともない呼吸不全の患者さんも増加しています。在宅酸素療法を行うことも多くあります。 呼吸不全に特化した看護師が呼吸不全患者さんの生活に合わせての酸素機器の選択、指導、退院時の自宅訪問で酸素療法が自宅で円滑に行えるように酸素機器の設置場所の提案、家族の方への介護指導も行っています。

当センターはそれぞれの専門スタッフが専門意見を提案しながら全人医療で患者さんの生活に寄り添えたらと考えています。

主な対象疾患

  • 肺癌
  • 転移性肺癌
  • 癌性胸膜炎
  • 縦隔腫瘍
  • 細菌性肺炎
  • 膿胸
  • 胸膜炎肺結核
  • 非結核性抗酸菌症
  • 間質性肺炎
  • 肺線維症
  • 器質化肺炎
  • 急性・慢性好酸球性肺炎
  • 呼吸促拍症候群

診療実績

ICD10(中分類)2022年度
肺がん315
細菌性肺炎415
がん性胸膜炎38
慢性閉塞性肺疾患 喘息293
034 部位不明確、続発部位及び部位不明の悪性新生物<腫瘍>315
間質性肺炎 膠原病肺104
COVID-195
膿胸 胸膜炎23
気胸46
110 呼吸器系のその他の疾患35
非結核性抗酸菌症 慢性気管支炎など-
038 良性腫瘍-
COPDなどからの肺性心など2
015 真菌症6
002 結核0
呼吸不全70
睡眠時無呼吸症候群47

当院では気管支内視鏡や胸腔鏡による検査や手術を多数行っています。

気管支鏡症例症例数
診断目的121件
処置4件
胸腔鏡4件
観察のみ68件
197件

手術症例数

呼吸器外科手術症例数(2023年)
肺がん79件
胸腔鏡手術(59件)
ロボット手術(17件)
開胸手術( 3件)
転移性肺がん22件
気胸27件
原発性肺がん手術症例数 ・胸腔鏡あり・胸腔鏡なし・ロボット
原発性肺がん術式 ・肺全摘・葉切除・区域切除・部分切除

呼吸サポートチーム(RST)

より専門的知識が必要となった呼吸管理は、RSTのような専門チームが積極的にかかわることが求められています。当院でも平成21年に内科医師、臨床工学技士を中心にRSTが発足し、全病棟の人工呼吸器管理中の患者のサポートを行っています。平成25年度は延べ40名の患者さんの呼吸管理のサポートを行っており、8割近くの方が人工呼吸器から離脱でき、その活動は『呼吸器ケア』『HOSPITAL VIEW』という雑誌にも取り上げられました。今後は地域の診療所との連携を深め、在宅人工呼吸管理が行える体制も整えていきたいと考えています。

救急疾患

呼吸不全、気胸、喘息発作、喀血などの救急疾患は随時救急センターで対応し、引き続き呼吸器病チームで診療します。

肺がんキャンサーボード(症例検討)

原発性肺がんの治療は、手術、化学療法、放射線治療の組み合わせで行われ、その診断と治療法の選択には多角的な検討が必要となります。

当院では2011年より内科、外科、放射線科で毎週金曜日の17時30分から約1時間、症例検討会を行っています。原発性肺がんはもちろん、良性肺疾患も含め、難治症例、希少症例の検討を行っています。

禁煙外来

禁煙外来は金曜日の午後、完全予約制で行っています。

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