肝臓病センター
肝臓病センター
肝臓病センターとは
肝臓病センターは、各科・各部署の枠を超えて、肝臓病患者さんの診療にあたるため、2003年10月よりオープンしました。肝臓病センターの理念として、「急性期から慢性期および終末期の肝臓病患者さんに対して、先進的レベルの医療を提供すること、特に診療科・部署の枠を超えた横断的体制をとり、全員が協力してその診療や患者教育にあたること」を掲げています。その構成は、内科、外科、放射線科、病理診断科、看護部、薬剤部、中央検査科、栄養科、事務部、予防医学部、リハビリテーション科からなっており、各部署が協力して診療にあたっています。
2か月に1度、各部署の代表者が集まり肝臓病センター運営会議を行い、外来及び入院患者さんの問題点、肝臓病教室の運営などについて検討しています。毎週、肝臓病センター(入院棟10階西病棟)において、内科、外科、放射線科、栄養科、看護部、薬剤部、検査科が集まり病棟カンファレンスを行い、互いの連携、問題点の掘り起こし、勉強会などを行っています。また、毎週火曜日に外科・放射線科・内科・病理医・研修医・看護部・薬剤部・検査科・放射線科が集まり、外科手術症例や治療方針についての検討会を行っています。
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肝臓病センターとしての主な事業として以下のようなことに取り組んでいます。
- 肝臓病教室および肝臓病料理教室を開催し患者教育を積極的に行う。
- 肝臓病教室を年4回開催し、患者教育を行っています。12月には肝臓病料理教室を開催しています。
- 病棟肝臓病教室を開催し、入院患者さんの指導に努める。
- 肝臓病センターにおいて入院患者さんを対象に、看護師がテーマを決めて肝臓病教室を開催しています。必要に応じて、薬剤師・栄養士・医師も参加し、患者教育に努めています。
- 肝臓病センター図書の整備と管理を行う。
- 病棟に図書を整備し、医師・看護師・患者が利用できるようにしています。また、インターネットにより患者さんが疾患などを検索できるようにしています。
- 肝疾患懇話会及び肝炎談話会を開催し、病診連携に努める。
- 2つの研究会、肝疾患懇話会(年1回)と肝炎談話会(年1回)を継続的に行っていましたが、コロナ禍で休止しています。今後、新たな企画により、互いの知識の交流、病院への紹介や病院からの逆紹介の増加を目指し、病診連携を図っています。
- 治験を積極的に行い、適切な医療を患者さんに提供する。
- B型慢性肝炎、C型慢性肝炎、NASH、肝硬変、肝細胞がんの治験を積極的に実施しています。
- 学会活動を積極的に行い、より高度な医療をめざす。
- 内科、外科、放射線科、栄養科、薬剤部など各部署において、積極的に学会発表を行っています。
- 全国の済生会病院と肝疾患に関して共同研究を行う。
- 全国済生会病院の肝臓共同研究グループの幹事病院として活動しています。
スタッフ紹介
肝臓病センター責任者 | 池田房雄 |
活動状況
1.外来受診(2023年)肝疾患の内訳(内科):総数3,561名
新しいC型肝炎に対する内服治療薬が導入されており、かかりつけ医から紹介していただくC型慢性肝炎の患者さんが増加しています。
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2.入院患者の内訳(2023年、延べ人数489人)
入院患者の内訳では肝細胞がんが圧倒的に多く、肝硬変の患者がこれに続いています。
繰り返し入院する必要があるためと思われます。
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3.検査及び治療内容
肝細胞がん症例は全国的には減少傾向ですが、当院は専門施設として多くの患者さんを紹介いただいており、検査及び診療件数は増加しています。C型肝炎に対する抗ウイルス剤の内服治療導入は、外来で月1~2例ずつ行っています。肝細胞がんに対する手術例数はこの数年、再度増加しており、内科的には肝細胞がんの治療としてラジオ波焼灼術を積極的に行っています(医師 藤岡,池田,桑木が担当)。CTと血管造影を用いた検査及び治療については、内科は医師 藤岡、池田、桑木が、放射線科は医師 安井が担当しています。また、プリモビストMRI検査を医師 戸上を中心に行っています。
肝細胞がんに対しての治療
(2023年)
人数 | 入院回数 | 治癒回数 | |
---|---|---|---|
経皮的ラジオ波焼灼術 | 37 回 | 37 回 | 37 回 |
肝切除術 | 45 回 | 45 回 | 45 回 |
肝動脈塞栓術 | 62 回 | 68 回 | 68 回 |
肝動注化学療法 (リザーバ留置) | 1 回 | 1 回 | 1 回 |
全身的化学療法 (分子標的薬) | 24回 | 24 回 | 24 回 |
※入院中に施行した治療回数
※肝細胞がんに対しての治療で、転移性肝がんは含みません。
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4.肝細胞がんの診断と治療成績
岡山済生会総合病院肝臓病センターにおける肝細胞がんの診断と治療成績については、肝臓がんのページをご参照ください。