診療科の特色
放射線科では画像診断、インターベンショナルラジオロジー(IVR)、放射線治療を担当しています。それぞれの部門は画像診断センター、IVRセンター、放射線治療センターとして放射線科医師と診療放射線技師が主体となってチーム医療を行っています。装置の概要は各センターでご紹介しています。
当院放射線科は日本医学放射線学会の総合修練機関に認定され、各領域の専門家が在籍し、患者さんにとって最適な放射線科診療を行っています。
認定は日本医学放射線学会の診断専門医5名、治療専門医2名の他、放射線腫瘍学会の認定医、IVR学会の指導医、検診マンモグラフィ読影医などを取得しています。
放射線科業務実績
| 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
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CT | 30,463 | 28,290 | 29,093 | 29,842 |
MR | 12,711 | 11,370 | 11,845 | 11,687 |
核医学 | 618 | 570 | 541 | 543 |
マンモグラフィ | 13,322 | 11,458 | 12,139 | 12,357 |
放射線科紹介 | 1,529 | 1,291 | 1,305 | 1,244 |
遠隔画像診断 | 3,039 | 2,799 | 4,021 | 4,231 |
| 2021年 | 2022年 | 2023年 |
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放射線科紹介 | 1,270 | 1,371 | 1,131 |
遠隔画像診断 | 3,294 | 4,945 | 1,899 |
画像診断
画像診断では、CT、MRI、核医学検査、胸部単純撮影、マンモグラフィなどのレポート作成を行っています。
各装置と読影室はネットワークで接続され、読影室ではモニターを使用して診断されています。
各診察室の電子カルテ端末とも接続されており、診察室で画像やレポートを見ることができます。
2016年1月から国体町の岡山済生会総合病院(以下、国体町病院)と外来センター病院に装置は分散していますが、放射線科医の主体は国体町病院の1階で仕事をしています。外来センター病院で撮影された各種画像は専用回線で連携し、読影を行います。
また、済生会吉備病院や岡山療護センターなどの済生会関連施設でのCT、MR検査も遠隔診断を行っています。
さらに、岡山県北部の鏡野町国民健康保険病院とも連携し、CT、MR検査の遠隔読影を行っています。
画像検査は当院各診療科から依頼されて施行する場合が主ですが、この他にかかりつけ医をはじめとして、他医療機関から依頼されて施行する場合があります。
当院の診療科からの依頼検査は原則的には外来は外来センター病院、入院は国体町病院で行いますが、検査内容や各装置の予約状況により別の施設で行う場合があります。CT、MR、核医学検査はすべて読影を行い、結果は当院の主治医より説明されます。
一方、他医療機関からの紹介の画像検査はすべて国体町病院で行われます。検査前に放射線科で問診ののち、撮影を行います。撮影した画像と診断レポートは紹介元の医療機関に返却ののちに、かかりつけ医から説明されます。当院に紹介いただく多くの医療機関とはインターネットで連携しており(なでしこネット)、検査後2-3時間後には画像やレポートは紹介元の医療機関のコンピュータで見ることができますので、この場合には画像やレポートを持って帰っていただく必要はありません。検査が必要な場合はかかりつけ医の先生方から、当院の患者サポートセンター内の電話予約センターに連絡をいただいた上で、予約をお取りしております。
マンモグラフィ装置は診療用は外来センター病院に設置されますが、この他に検診用として伊福町の予防医学健診センター、昭和町健康管理センター、マンモグラフィ搭載検診バス、済生丸でも撮影されています。これらのすべてのマンモグラフィ画像は当院放射線科に転送され、読影を行います。読影はマンモグラフィ読影認定医(ランクAS)が行っています。
ステレオガイド下マンモトーム生検
マンモトーム生検システム
マンモトームとは、画像ガイド下で使用する乳房専用吸引式組織生検システムです。超音波ガイド下、ステレオガイド下(マンモグラフィをガイドとする)いずれでも使用できます。
低侵襲に確実な病理組織診断が行えるのが特徴で、全世界で使用されています。
ステレオガイド下マンモトーム生検
マンモグラフィ検査のみで異常が認められる病変に対して行われます。
大部分は石灰化病変です。近年マンモグラフィ併用検診が普及するのに伴って、非触知でマンモグラフィ上でのみ微細石灰化を指摘されるケースが増加しおり、すべての微細石灰化に生検が必要なわけではありませんが、良悪性の判定困難な場合や、悪性が強く疑われ確定診断が必要な場合に行われます。その他には超音波検査で確認できないような腫瘤や構築の乱れ等にも用いられます。
従来の針生検よりも多くの標本が採取できるので診断精度が高くなります。
診断困難な場合に行われてきた切開生検(手術による生検)に比べると傷が格段に小さいため、乳房の変形がなく、体への負担も少ないというメリットもあります。
乳房が薄い症例、石灰化巣が乳房の端あるいは皮下直下に位置する症例、石灰化が淡い症例などではマンモトーム生検は困難なことがあり、検査の適応を事前に検討することが必要です。