薬剤師
2023年中途採用
薬剤師
2023年中途採用
CHAPTER 01
私は中途採用で、当院に入職する前は調剤薬局に勤めていました。当院入職後は約1年間、外来部門で院内処方の調剤や服薬指導を担当しました。調剤薬局での経験があったこともあり、業務にはすぐに馴染むことができました。もちろん、病院内の業務の流れやシステムは異なりましたが、「薬を調製し、患者さんに説明する」という基本的な業務内容は共通しており、転職直後の不安はあまりありませんでした。
私自身、「がん治療に関わりたい」という希望を持っており、その思いを入職時から上司に伝えていました。まずは外来業務からのスタートでしたが、結果的にこの1年間は、患者さんとの接し方や病院業務の基本を学ぶうえで、大切なステップになったと思っています。
その後、希望を汲んでいただき、化学療法センターでの業務に携わるようになりました。現在は、抗がん剤の処方内容の確認、レジメン(治療計画)のチェック、注射薬の調製、患者さんへの服薬指導などを担当しています。
患者さんの中には副作用が強く出る方もいらっしゃるため、治療内容だけでなく、生活の様子や気になる症状についても丁寧にヒアリングするよう心がけています。そうした情報をもとに、医師や看護師と連携して、より良い治療へとつなげていくことも薬剤師の大切な役割です。
「副作用、今回はどうでしたか?」「ごはん、食べられていますか?」といった問いかけを通して、薬剤師としてだけでなく、一人の医療スタッフとして、患者さんの不安や負担に寄り添っていきたいと考えています。
CHAPTER 02
調剤薬局で働いていた当時は、来局される患者さんがどんな治療を受けているのか、処方箋だけでは分からない場面が多くありました。特にがんの外来治療を受けている方の場合、どんな点滴治療をしているのかという情報がないこともあり、処方通りのお薬を説明して、軽く体調を確認して──。そうした対応が続いていました。
「もっと踏み込んで話を聞きたい」と思っても、病気の詳しい背景が分からなければ、かえって不安にさせてしまうかもしれません。病院のようにカルテ情報を確認できず、主治医に頻繁に相談することも難しい。薬剤師としてできることを広げたいと思っても、治療情報にアクセスできなければ限界がある。そんな葛藤がありました。
結果として「もっと何かできたかもしれない」と思いながらお薬を渡すことが続き、「関わりたいのに関われない」ことが、私にはとてももどかしく感じました。
そうした経験から、「がん治療の現場に、もっと近いところで働きたい」と強く思うようになりました。せっかく薬の専門家である薬剤師と接する機会があるのだから、「この人に聞けてよかった」と患者さんにも思ってもらいたい。そのためにも、治療と向き合う患者さんの声に、もっと寄り添える存在になりたいと思ったのです。
患者さんの中には、気持ちを言葉にするのが難しい方や、医師や家族の前では遠慮して本音を話せない方もいらっしゃいます。そういった“言葉にならない気持ち”を丁寧にくみ取れる薬剤師でありたいという想いが、病院への転職を後押ししました。
CHAPTER 03
当院を転職先として選んだ理由は、岡山県の地域がん診療連携拠点病院として専門的ながん治療を行っている点に魅力を感じたからです。
実は、他にもいくつかの病院を見学しました。がん治療に携われるかどうか、通勤のしやすさなど、さまざまな観点で比較検討していましたが、最終的な決め手となったのは「職場の雰囲気」でした。
初めて薬剤部を訪ねたとき、上司にあたる方がとても柔らかくて優しい印象で、その空気感に「ここだったら今の自分を受け入れてもらえそう」と感じたのを覚えています。転職はどうしても不安が伴うものですし、自分をさらけ出して相談できる環境かどうかは、とても大事な要素でした。
実際に入職してみて、その第一印象は間違っていなかったと実感しています。薬剤部は人間関係が良好で、みんな忙しい中でも思いやりを持って接してくれます。私自身、入職して間もない頃に長めの休暇をいただくことがあったのですが、皆さんが自然に「お互いさまだよ」とカバーしてくださり、とてもありがたかったです。
もちろん、業務内容や制度面も重要ですが、やはり「一緒に働く人たちの温かさ」が、長く働き続けたいと思える一番の理由だと感じています。
CHAPTER 04
当院の薬剤部は、資格取得や専門領域でのキャリアアップを目指す人にとって、非常に恵まれた環境だと感じています。たとえば、がん治療に関する薬剤師の資格をはじめ、抗菌薬、糖尿病、栄養、緩和ケアなどの分野で資格を取得されている先生方も多く、日々の業務の中で学べる機会が豊富です。
私自身も、今後はがん領域の専門資格を取得したいと考えており、実務経験を積みながら準備を進めているところです。
また、当院では定期的に上司との面談の機会があり、直近でどのような業務に取り組んだか、自分の言葉で振り返って伝える場があります。それに対して上司からフィードバックがあるのですが、評価というより「対話の場」という雰囲気で、これから挑戦したいことについても気軽に相談できます。
私も、がん治療に携わりたいという思いを面談でお伝えしたところ、想像より早く希望を汲んでもらうことができ、化学療法センターに配属されることになりました。
もちろん、得意・不得意は人それぞれですし、希望がすぐに叶うとは限りません。でも、「やりたいことをしっかり伝える」「頑張りを見てもらう」という姿勢があれば、ちゃんと応えてくれる職場だと感じています。自分から意思を示すことで、キャリアの方向性が拓けていく。そんな実感があります。
最初から明確な目標がある方ばかりではないと思います。配属された病棟や部署での経験を通じて、「この分野をもっと知りたい」と感じることもあるでしょう。当院には、そんな気づきを後押ししてくれる先輩や制度が整っており、自然とキャリアアップにつながっていく環境があります。
CHAPTER 05
当院の薬剤部は教育体制がしっかり整っています。基本的には「教育担当」と「プリセプター」の2層体制で、新人を丁寧にサポートする仕組みで、教育担当の先生が全体の育成スケジュールを組み、プリセプターが現場での具体的な指導を行っています。「この時期には吸入薬の指導ができるようにしよう」「そろそろ当直業務を組み入れていこう」など、段階的に業務の幅を広げていけるよう、計画的に進めています。
また、業務マニュアルも非常に充実しています。内容は毎年見直され、たとえば調剤の基本的なルールや当直業務の対応手順など、細かな点まで記載された分厚い冊子があり、新人の頃はそれを片手に日々学んでいました。分からないことがあれば先輩にすぐ相談できる雰囲気もあり、「一人で悩む」ことがない環境です。
日中は皆それぞれの担当業務で忙しくしていますが、「誰に聞いてもいいよ」という風土が根づいていて、疑問があればその場で質問できます。さらに、プリセプターとの1対1の時間も業務後などにきちんと確保されており、その場で聞けなかったことや、理解が追いつかなかった部分も丁寧にフォローしてもらえます。
業務量が多くても、誰かが必ず気にかけてくれる。その安心感が、前向きに働き続けられる理由の一つです。
CHAPTER 06
化学療法センターに配属されてからは、看護師さんや医師、時にはソーシャルワーカーさんともやり取りする機会が増え、「自分と違う職種の視点は、こんなにも多面的なんだ」と気づかされる場面が多くあります。
たとえば、看護師さんは患者さんの生活背景や心理面まで丁寧に観察されていて、「この方、最近ごはんがあまり食べられていないみたいです」といった情報を共有してくださいます。そうした気づきは、副作用の再評価や服薬支援の工夫につながります。
また、「お薬のことは薬剤師さんに」「生活面のことはソーシャルワーカーさんに」といった具合に、歯科衛生士さんやリハビリさんなども含め、それぞれの専門職にスムーズにつなぐ姿には、いつも尊敬の気持ちを抱いています。いつも、薬剤師だけでは得られない情報をたくさん共有してくださるので、とても勉強になります。
調剤薬局では、薬剤師同士で完結する業務がほとんどでしたが、病院では「このことは先生に伝えた方がいいかも」「これは看護師さんに共有しよう」と、私自身も自然と他職種を意識するようになりました。「チームで支える」とはこういうことなんだと、日々実感しています。
CHAPTER 07
「病院って忙しくて厳しそう」「ハードルが高そう」──そんなイメージを持たれている方も多いかもしれません。私自身、実際に働くまではそう思っていましたし、不安もありました。
でも、思い切って飛び込んでみると頼れる先輩が多く、相談しやすい雰囲気と教育体制が整っていて、「病院だから厳しい」ではなく、「病院だからこそ支えてくれる人が多い」という感覚に変わりました。
調剤薬局では、医師とのやり取りの機会が限られていて、「本当は相談したいけど、できない」と感じる場面が多くありました。でも今では、ちょっとした気づきや疑問でも、「こういう検査値が出ているので、こちらの薬に変更しませんか?」と提案できる機会があり、自分の関わりが患者さんの役に立っているという実感を得られています。
私の場合、「関わりたくても関われない」というもどかしさが、働くフィールドを変えることで「関われてよかった」というやりがいに変わりました。
もし、「もっと患者さんの力になりたい」「薬剤師として成長したい」と感じている方がいたら、当院はきっと、その想いに応えてくれる場所だと思います。
迷っているなら、まずは見学だけでも構いません。ぜひ、一歩を踏み出してみてください。