手術室で気になるアレルギー ~ご存知ですか、ラテックスフルーツ症候群~
ラテックスアレルギーとは
天然ゴムに含まれるラテックスというタンパク質をアレルゲンとして発生するアレルギー反応を「ラテックスアレルギー」といいます。
天然ゴムを使用したゴム手袋や、ばんそうこうなどにさわるとじんましんが出たり、重症になると喘息発作やアナフィラキシー反応が出たりします。
手術室で使用する天然ゴム製品には、手術用の手袋や尿道カテーテル(手術中の尿を排出させる管)などがあります。手術では、体の表面に触れるだけでなく内部(お腹の中など)にも接触するので、より強く症状が出やすく注意が必要です。そのため、手術前の問診では「ゴム製品でじんましんが出たり、皮膚が赤くなることはないですか?」とお聞きしています。
ラテックスフルーツ症候群とは
一見、ラテックスと関係のないアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)がラテックスアレルギーを誘発することがあります。
バナナ、キウイ、アボガド、栗などは「ラテックスフルーツ」と呼ばれます。これらのフルーツのタンパク質に含まれる抗原(免疫反応を引き起こす物質)とラテックスに含まれる抗原の特徴が似ているため、ラテックスフルーツにアレルギーのある方はラテックスにもアレルギーを起こすことがあり、「ラテックスフルーツ症候群」といいます。そのため、ラテックスフルーツにアレルギーのある方には天然ゴムではなく合成ゴムの手袋やカテーテルを使用しています。
他にもある、手術室で気になる食べ物アレルギー
ラテックスとは関係ありませんが、卵・大豆のアレルギーがあると使用できない麻酔薬などもあり、食べ物のアレルギー情報は安全な手術を行うために必要な情報です。
手術前問診の際は、必ず看護師にお知らせください。
※手術前問診では、手術室の看護師が患者さんにアレルギーの有無を確認させてもらっています。アレルギー以外でも、少しでも気になることがあれば遠慮なくお伝えください。
※本記事は広報誌「やわらぎ」(173号:2021秋号)に掲載したものをWEB用に再編集したものです。